ブーケ賞③ by刺しゅうアートフェスティバル2026
2026年7月16日〜21日に開催した「刺繍アートフェスティバル2026」において、弊社からはインタビューをしたい。お話を聞いてみたい、そこを基準に3名の作家さんを選出し、「ブーケ賞」をお贈りいたしました。
その中から本日は、受賞された柴田佐和子さんの作品をご紹介します。
大きな迫力ある作品に生まれた
春の草花の生命力と、これから動き始めるであろう幼虫の姿に目を奪われました。
繊細さと大胆さのあるこの作品、どのように作り出されたのかお話をお伺いしたく、インタビューをお願いしました。
刺繍アートフェスティバル2026
ブーケ賞
刺繍作家インタビュー
ブーケ賞
刺繍作家インタビュー
命ある作品の世界観に圧倒されました。
搬入の日、とても大きな段ボールから出てきた柴田さんの作品。実はこの作品、写真で見るよりずっと大きいのです。
先に図録用の写真で拝見していましたが、目の前に現れた作品の大きさと迫力に、
「やっぱり実物って違うんだ」と、あらためて驚かされました。
これだけ大きな作品なのに、ひと針ひと針の刺繍はとても繊細。
春の草花が伸び、花が咲き、虫たちが集まり、綿毛がふわりと舞う。やさしい生命の気配が溢れています。
そして、その世界の真ん中にいるのが、一匹の幼虫。
私には、気持ちよさそうに、すやすやと眠っているようにも見えました。
この「幼虫」という存在が、私はとてもいいなと思います。
成虫の美しい完成形ではなく、まだ途中にいるもの。
これから姿を変え、これから動き出す命です。
今はまだ、草花に包まれて眠っている。
その姿を見ていると、「命」と同時に、これから何かが始まるような期待まで感じます。
美しい春の草花だけではない。
生まれて、育って、変化していくものたちが、ひとつの作品の中で息づいている。
だからこそ、この作品には
「命がある」と感じたのかもしれません。
命ある刺繍
これからの可能性を感じる刺繍を刺す。
これからの可能性を感じる刺繍を刺す。
柴田佐和子
はじめての刺繍
柴田さんが、いつくらいから、
私が刺繍を本格的に始めたのは、大学生の時です。
そんな時に、刺繍と出会い、
初めて刺した作品は、やはり虫の刺繍でした。
刺繍と生活
普段はどんな時にどのような刺繍環境で製作をしていますか?
家族がまだ起きる前の早朝や、
刺繍をしている時は、基本的に音楽を聴きながら進める派です。
まとまった時間が取れなくても、わずかな隙間時間を見つけたり、
刺繍は誰のために製作しますか?制作スタイルやこだわりがありましたら教えてください
いつも自分のために、自己表現として刺繍しています。
モチーフは今までは、虫が中心でしたが、ここ最近は、
絵の具や色鉛筆で色を選ぶような感覚で、刺繍糸を選び、
刺しゅうアートフェスティバル
刺繍の公募展自体が珍しいと感じ、
今回の作品は大きめな作品で会場でとても目を惹く作品でした。
どのようにこの大きさのデザインを考えていったのでしょうか?
この作品を作るにあたってデザイン的に考えたこと、
そして、成虫ではなく、幼虫をデザイン。
なぜ、
私にとっても、
「
幼虫は以前からずっと刺繍していた大好きなモチーフです。
デザインを構想してから本格的に制作に入ったのは2月頃でした。
こだわりは、
どれも、
図録にも書かれていました「柿渋染」について教えてください。
柿渋染とは、
今回は、作品の構想が固まってから布を探しに行ったのですが、
真ん中の幼虫に目が行きがちですが、
また、写真では少し分かりづらいのですが、
何も考えず、ただ目の前の刺繍に集中して、
あとは、さすがにあの大作が無事に完成したときは、
申し込みをしてからアイデアスケッチを何度も繰り返し、
幼虫からスタートして、
作品が完成した時は、「やり切った!」
会場には残念ながら行くことはできましたせんでしたが、
そして今、自分の作品を本当に多くの方に見ていただき、
未来へ
刺繍する楽しさを自分自身がいつでも忘れずに、
柴田佐和子
「春の詩(うた)」
遠くばかり見ていた。
すぐ足元に力強く美しい世界があるのに。
私が気がつかなかった
理想の土色を求めて柿渋染した布に足元の小さな物語