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チェーンステッチを徹底解説!

2025/03/22

【初心者さん必見】チェーンステッチの徹底解説と活用法

今朝は生徒さんから質問LINEが来ました。
「課題のチェーンステッチ、何目を目安に刺せばよろしいでしょうか?」

今日はお休みなのかな?朝から刺繍モードと見られる生徒さんの質問はすっごく嬉しい!その場でいくつかのアドバイスの返信いたしました。
生徒さんのやる気を受けた土曜の朝、のんびりモードから一気に仕事モードのスイッチを押していただき感謝です。

生徒さんからの質問は私の財産。
質問を通して知識を深め、教える力も高まると考えています。
「答えは問いの中にある」疑問が浮かぶほど、真剣に取り組んでくださる姿勢、どうもありがとうございます。
そして私の役割は「答えの導きとシェア!」

ということで、刺繍技法の中でも特に多様性に富んだ「チェーンステッチ」の魅力についてご紹介します。

チェーンステッチとは

チェーンステッチ(鎖縫い)は、その名の通り鎖のような連続したループ状の刺繍技法です。一針ずつ進めていくことで、流れるような曲線や模様を作り出すことができます。線描きとしても、面を埋める技法としても使える汎用性の高さが特徴です。

チェーンステッチといえば樋口愉美子先生ですよね!綺麗に揃ったチェーンステッチで刺される作品は日本だけでなく世界でも大人気です。
 

チェーンステッチの歴史

チェーンステッチの歴史は非常に古く、考古学的発掘によると紀元前5世紀の中国で既に使われていたという記録があります。シルクロードを通じて世界中に広まり、各地域で独自の発展を遂げました。
 ・シュバルム刺繍 ドイツの白糸刺繍。織り糸を抜いてかがる技法の縁に、チェーンステッチが使用されます。

・カシミール刺繍(アリワーク。アーリ刺繍)インドでは小さなかぎ針を使いチェーンステッチが多用されました
・1800年代に入ると、チェーンステッチミシンが発明され、手工芸からより大規模な生産へと発展しました。 

チェーンステッチの刺し方動画

チェーンステッチは見た目ほど難しくありません。私の中でもチェーンステッチだけは小学生の時にやった記憶があるのです。
プロミスリング作りが流行った時代、たくさんのカラフルな糸が家にあり、お友達と必死に編んでいたのですが、この糸が刺繍に使われるものと知った時になぜかチェーンステッチをやった気がするのですが、何を作ったのかは記憶にございません。
…話は脱線しましたが
チェーンステッチは戻ることなくどんどん前に進んで刺せるため、リズムを掴むと驚くほど進められるようになります。初心者さんにはぴったりなステッチです。
 

動画をタップして大きな画面でご覧下さい。

【チェーンステッチのコツ】

私が1番大事にしていることは均一さ。引き加減、針目の大きさを作品内で一定に保つことに気をつけています。

チェーンステッチは糸のテンション、引き加減が仕上がりに大きく影響します。
キツすぎず、ゆるすぎず、どの引き加減が刺しやすいか色々試してみるといいでしょう。

針目の大きさは、糸の太さ、本数によって変えるといいでしょう。糸が太いときは針目も少し大きくした方が、ステッチが窮屈にならずに美しく仕上げることができます

形は違えど、チェーンステッチはチェーンステッチに変わりはありません。
きゅっと引き締まったステッチ。ふんわり柔らかいステッチ。ツンとしたステッチ。

自分がどんな形のチェーンステッチが好みなのか探索してみましょう
赤糸は全て2本どり
左から
・織り糸2本分、約1.8mm
    2mm以下の針目で刺す、私のチェーンステッチの基本形
 チェーンステッチの中からあまり布が見えて欲しくないのです
・織り糸4本分 
 引き加減も緩めに丸さを残して可愛い感じのチェーンステッチ
・織り糸4本分 
 強めに引くことにより引き締まった感じのチェーンステッチ


緑糸 3本どり

左から
・織り糸2本分の細かい針目。チェーンが詰まった感じ
・織り糸3本分 余裕さのあるチェーンステッチ
ピンクはダメな例
・左は針目の大きさが揃っていない。
 細かい針目と大きな針めでステッチの太さにムラが出てしまいます
・右はひき加減が揃っていない。
 大きいチェーンの隙間、布が目立っています

このような時はやり直ししましょう!

ステップアップ!チェーンステッチ

基本のチェーンステッチをマスターしたら、今度はこんなバリエーションのチェーンステッチにも挑戦。
サテンステッチの印象が強い刺しゅうルームですが、このような変わり種のステッチも多用しながらステッチの組み合わせで遊んでいるのです

 

あえてランダムに刺すチェーンステッチ
どのデザインに使っているかわかる生徒さんいるかな?

空中に浮いているチェーンステッチ
別のステッチの上を通ったり、橋渡しができます

サテンステッチとチェーンステッチ

サテンステッチの立体感と平面的なチェーンステッチの対比を楽しむデザイン
 
テクニックコースより

3種類のチェーンステッチ

・通常のチェーンステッチ
・ツイストチェーンステッチ
・浮いているチェーンステッチ
テクニックコースの課題も進むにつれサテンステッチと新しいステッチを組み合わせたデザインが増えていきます。

 

白糸刺繍と

   チェーンブレードステッチ

アジュール刺繍の縁取りに、太さと密度のあるチェーンブレードステッチを使用しました。
アジュール刺繍の繊細な透け感と、安定感のあるチェーンブレードステッチの組み合わせで印象的な作品に。

 

多様な魅力あふれるチェーンステッチ

線の表現だけでなく、面を埋めて魅せる。主役になるチェーンステッチですが、私はどちらかというとバイプレイヤーとしてサテンステッチなどを助ける名脇役をして使用しています。
可愛くもクールにも化けることができるチェーンステッチ


古くから愛されてきたこの技法、あなたならどんな作品にどう使用するかな?
どんなチェーンステッチが好みかな?
コメントで感想、アイデア、聞かせてね。

チェーンステッチでステッチ遊び、お楽しみください。
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