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タッセルの魅力を紐解く

2025/03/15
先日の記事の「フリンジ」と似ているようで違う。
でも装飾品としての愛され度と幅広く活用される無限大の可能性がある「タッセル」

今日はタッセルの魅力について語ります。
揺れる芸術「フリンジ」の奥深さ
記事はこちら

タッセル(tassel)とは

タッセルとは糸や紐を束ねて作られた飾りのこと。房飾りとも呼ばれ、シルク、コットン、錦糸や銀糸のメタリック、ビーズなど様々な素材で作られます。
小さなタッセルはキーホルダーやアクセサリーに。ミディアムサイズはバッグチャームや小物の装飾に。大きなタッセルはカーテンなどインテリアの装飾に用いられています。

 

タッセルとフリンジの違い
パスマントリーとは

タッセルとフリンジは装飾の世界ではよく混同されますが、実際には異なる性質を持っています。
タッセル
・糸や紐と束ねて作られた装飾品
・通常は1つの集中した「塊」
・上部に「首」と呼ばれる部分があり、そこから糸が房状に垂れ下がる構造
・一般的に単体で使用される
フリンジ
・布や織物の端に付けられた装飾的な糸や紐

・線状に連続して並ぶ構造
・縁取りとして使用される

タッセルは強調ポイントとして使われ、フリンジは縁取りとして使われる。
作り方や用途が異なる。
どちらも魅力的な装飾なので特性を理解して使い分けると良い
パスマントリーとは
フランスではカーテンなどに使われる飾り紐、フリンジ、ブレード、コード、ロゼット、タッセルも含めて飾り類の総称をパスマントリーと呼びます。
 

タッセルの歴史

タッセルの歴史はフリンジと同じく紀元前3000年ごろのメソポタミア文明にまで遡ります。当時は織物の端が解けないように実用的な目的で生まれましたが、やがて装飾としての大きく変化していきました

古代エジプト時代

古代文明エジプトでは、衣服の端に付けられ、身分の高さを示す象徴でした。特に青と金のタッセルは神聖な力を表すとされていました。

中世ヨーロッパでのタッセル

キリスト教の広がりと共に教会装飾としてのタッセルが発展しました。特に聖書や祭壇の飾りとして金糸や銀糸で作られた豪華なタッセルが用いられました。
十字軍の時代には騎士たちの馬具や盾、槍旗にタッセルが多用されました。
15世紀のイタリアではタッセル職人は高い地位を持ち、染料や編み方を厳重に守っていました。

日本のタッセル文化

日本では平安時代から「房(ふさ)」として存在していましたが、明治時代以降、西洋からタッセル文化が入ってきたことにより、伝統的な組紐技術と融合し日本独自の発展を遂げました。仏具、武具、能楽の衣装などに用いられました。

アンティークの本から見る
タッセルの魅力

私が持つ古い本にもタッセルの挿絵があります。(DMC社)

木製のパーツを使用してタッセルを組み立てる様子です。 
タッセルの上にさらにたくさんのタッセルが付いています。
このように、より複雑化し芸術性を持たせるタッセルはフレンチタッセルと呼ばれ現代でも受け継がれています。

刺繍とタッセル

フランス刺繍とタッセルの相性

平面的なフランス刺繍にタッセルの立体感を加えたアクセント。私の大好きな組み合わせです。

刺繍ルームではイニシャル、モノグラム、鳥のデザインなどと一緒にたくさんのタッセル刺繍を自分のデザインに組み込んできました。

実際のレッスン課題にも何度もタッセル刺繍は登場し、レッスンのたびに「かわいい〜」と大歓声が上がるタッセルです。
まずはかわいい色で練習するとテンションが上がるでしょう!

タッセルのボリューム、長さ、色で作品の雰囲気を変えて楽しむことができます。同じ糸を使うことで刺繍とタッセルの調和も取れるので、初心者さんでも安心して刺繍作品にタッセルを取り入れてみましょう。


 
自分でタッセル刺繍を刺せば、長さもボリュームも作品に合わせて調整できます。
長くてスマートなタッセルは大人な魅力
小さいタッセルは可愛い姿

Youtube

参考動画
タッセル刺繍をたくさん紹介しているインスタライブ

タッセルの作り方


アルファベットの刺繍図案帖では表紙にもタッセルが載っています。

作り方も掲載されていますのでぜひご覧ください


アルファベットの刺繍図案帖

AMAZON


こちらのキットでは作り方の動画付き!


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