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【刺繍初心者必見】バリオンステッチ&バリオンローズステッチのやり方とコツ

2025/11/06

ふっくら立体のお花を刺してみませんか?
 

刺繍をしていて「平面的なステッチばかりで、物足りない」と感じたことはありませんか?

そんな方にぜひ挑戦してほしいのが、
バリオンステッチバリオンローズステッチです。

くるくると糸を巻いて作るステッチは、刺していて面白い!!

立体感があり、艶と影が生まれる刺繍はアクセントとしても人気です。
 

 

バリオンステッチとは

― 糸を巻いて立体を作る、クラシックな刺繍技法 ―

バリオンステッチ(Bullion Stitch)は、針に糸をぐるぐる巻きつけてから引き抜くことで、ふっくらとした立体ラインを作るステッチです。

糸を巻いた姿が「金属の棒(bullion)」のように見えることから、この名が付きました。

  • 英語表記:Bullion Stitch

バリオンステッチは19世紀のヨーロッパから発展しました。(主にイギリス、フランス)

当時の女性たちは、リネンのハンカチやドレスに立体的な花を刺し、繊細な美を競い合いました。特にフランス刺繍では「立体バラ刺繍=上品な女性の象徴」として定着。現在でも世界中の刺繍教室で愛され続けています。

 

バリオンローズステッチとは

― バリオンで作る小さなバラの花 ―

バリオンステッチを円形に並べて花の形にしたものが「バリオンローズステッチ」です。バリオンステッチを花びらとして表現します。
ステッチの並び方、本数でバラの表情に変化をつけることができます。

 

バリオンステッチをうまく刺す
7つのコツ

ちょっとコツのいるバリオンステッチ。失敗すると解けませんのでしっかり刺しからとコツを理解して練習してから本番へ進みましょう。

刺し方動画はページ最後!その前に7つのコツからご覧ください。
 

糸は短めに

長いと絡まりやすくなります。糸の長さは40〜60cm程度が刺しやすいでしょう。

糸のヨリを整える

バリオンステッチを何度も刺しているとどんどん糸がねじれてきます。数回刺したら糸を垂らしてヨリを戻しましょう

布はピンと張る

必ず刺繍枠を使用します。布はピント張る子とで綺麗なバリオンの巻きを作ることができます

巻く方向は作品で統一させる

長いと絡まりやすくなります。針に対して時計回りなのか、反時計回りなのか。作品内で同じ向きに統一すると艶が綺麗。

糸を強く巻きすぎない

針が抜けないと力が入ってしまい、布を伸ばす原因に。
糸は強く巻かずに、針がスーッと抜ける巻き加減にしましょう。

少し多めに巻く

針に巻きつける回数が少ないと中を通る糸が見えてしまいます。少し多い目に巻いてふんわりを目指しましょう。

綺麗に整えてから刺し終える

針を抜いたあと、糸の巻部分をきちんと整えてから刺します。整えてないのに刺してしまうと後で直すことはできません。

バリオンステッチ よくある質問(FAQ)

Q1、おすすめの糸は?

A:25番刺繍糸の2本どりがおすすめ。
3本どりなど糸の本数を増やすと糸が絡まりやすくなります。
また、1本どりだとふんわりせず、きゅっと引き締まったステッチになります。

柔らかすぎる、張りがありすぎる糸も刺しにくいでしょう。

Q2、おすすめの針は?

A:25番糸2本どりがすんなり入る針ならどんな針でもいいのですが、バリオンステッチ専用の「バリオン針」がおすすめ。針の太さが一定で、引き抜きやすいです。
太い針を使うと、ふんわりと緩めの柔らかいバリオンステッチになります。

Q3、糸を巻く回数は?

A:直線的に刺したい場合は布をすくって刺した長さより、2回分ほど多く巻きます。
カーブを描きたい時はもっと多く巻いてOK
ただし、長めにしたい時でも15回以上巻くと失敗しやすくなります。ゆっくり糸を引きましょう。
 

Q4、初心者でもできますか?

A:少しコツは要りますが、慣れると楽しいステッチです。

まずは練習布に様々な長さでステッチを並べて試してみましょう。

刺繍ルーム的 バリオンステッチ解説

刺繍ルーム 福田彩が思うバリオンステッチの鍵は「立体感」「光と影」「橋」
この3つを解説していきます

バリオンステッチの立体感

アウトラインステッチやバックステッチなどの一般的なステッチに比べ、2〜3倍の高さが出ます。そのため作品の視線をグッと惹きつけるステッチ。綺麗なバリオンステッチが入っているだけで、初級者刺繍から抜け出せるでしょう。

バリオンステッチの光と影

立体感があるので光の艶感も影もしっかり出ます。艶を出すには綺麗な巻き付けが重要です。また、糸の重なりが多いのでグッと濃い影を演出。
バリオンステッチが多く並ぶバリオンローズステッチは影がたくさんできます。そのため少し思っていたより色が黒っぽく見えることも。
バリオンローズステッチはワントーン明るい色で刺すのもポイントです。

バリオンステッチの橋渡し

バリオンステッチは薔薇だけじゃない!!私はアルファベットやモノグラム刺繍を刺すときのサテンステッチともよく合わせます。
太さ、高さのあるサテンステッチの上を渡るように刺して、サテンステッチと垂直に、違った艶感を乗せることができます。
単調なサテンステッチにアクセントを!タッセル刺繍にも使用しています。
モノグラム刺繍、バリオンステッチのコツを解説!
フランス刺繍バリオンステッチ解説

刺繍ルームの薔薇刺繍

薔薇のあるアルファベット、モノグラム刺繍

刺繍ルームのフランス刺繍レッスン「テクニックコース」ではバリオンローズステッチの周りに、さらに別のステッチを加えてバラを刺します。
より花びららしく立体的に、そして印象的に仕上げることができます。

このバラをアルファベットやモノグラムと合わせると一気にアンティークなデザインになります。文字だけのクールさを薔薇の上品さが中和し、優しさ溢れる作品になるのです。

文字をメインに色を考えていくか。
バラを中心に刺繍全体の色味を構成していくか。
刺繍の楽しさの醍醐味である「色選び」も、薔薇の花が一輪あるだけで変わってくるでしょう

 

薔薇の刺繍 バリオンローズステッチ動画

【動画】バリオンステッチ&バリオンローズステッチ

フランス刺繍の基本 バリオンステッチをマスターしてから、バリオンローズステッチに進みましょう

解くことができないバリオンステッチは動画を見て何度も練習をしましょう。

 


実際のテクニックコースのレッスンでは、上手に刺すコツ、綺麗に魅せるコツもお伝えしています。
刺繍ルームのレッスンが気になる方はこちらもご覧ください
一緒にフランス刺繍の魅力にハマりましょう
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