刺繍ルームのコラム。刺繍のお役立ち情報や刺繍作家としてのことなど

ヤドリギ刺繍ワークショップ 開催レポート

2025/10/10

「ヤドリギ刺繍ワークショップ」開催レポート
黒リネンに映えるエクリュ色の大人クリスマス刺繍


浅草橋MIYUKI FACTORYで開催した「ヤドリギ刺繍ワークショップ」が無事終了しました。

初めましての方が多い中、3時間の限られた時間で皆さんがしっかりとヤドリギの立体刺繍を完成させてくださり、ホッとしています。

普段の刺繍ルームとはまた違う、一期一会の出会いと学びの時間になりました。

ご参加くださった皆様、どうもありがとうございました。 

さまざまな経験値の人が集う、特別な時間

ワークショップ当日までは、どんな方が来られるのか、毎回少し緊張します。

普段の教室とは違い、初めましての方ばかり。

参加する方の刺繍の経験も分からない状態で、3時間の中で全員に「学びと達成感」を感じてもらえるように構成するのは、いつも少しドキドキします。
 

実際には、糸通しから始める初心者さんから、毎日刺繍を楽しまれているベテランの方まで、本当にさまざま。

ですがおそらく緊張していたのはわたしだけでなく、ご参加くださった方も同じ。

初めての場所・初めての先生という緊張の中でも、皆さんが真剣に針を進めてくださり、作品が少しずつ形になっていき、だんだんと笑顔が増えていく時間がとても嬉しかったです。
 

立体的なヤドリギの実や葉を綺麗に仕上げるには少しコツがいりますが、3つ目を作る頃にはみんな理想の形に近づいていて、集中力と吸収の速さに驚きました。
 

「初めまして」の空気から、いつの間にか一体感が生まれていく。

そんな瞬間に立ち会えることが、ワークショップの魅力だと感じました。
 

黒リネンに映えるエクリュ色の糸 

今回の作品「ヤドリギ刺繍」は、私自身の中でも大切なデザインのひとつです。

ツリーやヒイラギのような一般的なクリスマスモチーフではなく、ヨーロッパで幸運を象徴する「ヤドリギ」を題材にしています。

黒い布にエクリュ色の糸を重ねることで、まるでアンティークレースのような落ち着きと上品さが生まれます。可愛いよりクールを好む大人なデザインで、インテリアにも馴染む優秀デザイン!
 

季節が秋から冬へと移ろうこの時期に、静かなぬくもりを感じる「大人のクリスマス刺繍」としておすすめです。 

▶︎ヤドリギとは 

動画付きのワークショップ

今回のワークショップでは、当日の集中レッスンに加えて「動画付き」教材をご用意しました。

その場で学びながらも、後日ゆっくり復習できる安心感があり、

「家でも続きを楽しめそうです」「動画があるから焦らずにできました」といった声もいただきました。
 

私自身も、皆さんがとてもリラックスした表情で針を動かしているのを見て感じました。

「間違えたらどうしよう」「覚えられるかな?」と構えることなく、自然体でレッスンを楽しめていたのは、動画がある安心感のおかげかもしれません。
 

わからないことを気軽に聞ける少人数の雰囲気もあり、笑顔と真剣さが混ざり合う、穏やかでとても心地よい時間になりました。
 

さらに、当日の体調不良、急な家庭の事情などでなどでやむを得ず参加できない場合にも、動画で内容を学べる仕組みにしたことで、「安心して申し込めました」「ハードルが下がりました」と嬉しい感想も届きました。

 

ヤドリギの本物を見たことがありますか?

途中の会話で「ヤドリギってどこにあるの?」という話題が出ました。

私は夏に軽井沢の牧場で、手の届かない高い木の枝に丸く寄生しているヤドリギを見かけました。

北海道で見たという方もいて、自然に話が広がったのも楽しいひととき。

 

実際のヤドリギは、秋からクリスマスにかけての時期、おしゃれな花屋や園芸店で見ることができます。少し高価で日持ちがしない植物ですが、独特の透明感と神秘的な佇まいは一見の価値があります。

刺繍で表現すると、そんな一瞬の美しさを永遠に留めておける気がします。

 

やっぱりわたしは、レッスンが好きだ

人と会うこと、教えること、そして一緒に「夢中になる時間」を過ごすこと。

ワークショップ、レッスンの度に、
自分自身が改めて「刺繍の楽しさ」に気づかされます。
 

慣れない環境でも、作品を通してすぐに心が通じる。

その一瞬一瞬が、私にとっても大切な宝物です。

みんなが帰った後の静かな空間は寂しい。

 

また次の季節も、誰かの刺繍時間に寄り添えるレッスンを作っていきたいと思いながら帰りました。
 

ご参加くださった皆様、どうもありがとうございました
新しい出会いと、楽しい時間に感謝です!

 

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レッスン