New Column

【白糸刺繍】糸を抜いて生まれる美しさ「ドロンワーク」

2025/08/10

白糸刺繍の中でも、ちょっと魔法のような存在――それがドロンワーク!
 

多くの白糸刺繍の基本となる技法です。
 

名前だけ聞くと少し硬派ですが、やることはとてもシンプル。
布の織り糸を数本切って引き抜き、残った織り糸をかがったり糸を編むように刺繍を進め、透かし模様を作る技法です。

一見大胆に見える「糸を切る、抜く」という行為が、どうしてこんなにも上品な仕上がりになるのか…知れば知るほど面白く、そして奥深いのがドロンワークの世界です。

 

ドロンワークの歴史

16〜17世紀のヨーロッパ。特にイタリアやドイツでは修道院や貴族の館で好まれ、リネン製品を飾るために盛んに使われました。「日常の中の贅沢品」といった立ち位置で、食卓のクロスや礼服の袖口など、白い布にほんのりと影を落とす透かし模様は、人々の暮らしに優雅な空気を添えていました。

19世紀になると、刺繍は家庭の手仕事としても広まり、ドロンワークは主婦たちの憧れの技法に。

そして現代、ハンドメイド人気の再燃とともに、再び注目を集めています。

ドロンワークの使い道

ドロンワークの使い道は実にさまざまです。

テーブルクロスやランナーに透かしを入れれば、光と影が美しい模様を描きます。ハンカチやナプキンの縁取りに入れれば、シンプルな白い布が一気に高級感を帯びます。カーテンやクッションカバーに施せば、日差しを通して柔らかな影が部屋いっぱいに広がります。

そして洋服の襟や袖口にほんのひと模様加えるだけで、現代の服にもアンティークのような表情が生まれます。

ドロンワークのやり方(基本の流れ)

まずは布選び!織り糸が均等なリネン布を用意します。

そして思い切って糸を数本切ります――これがドロンワークの第一歩。

切った糸を引き抜き、残した糸を束ねたり編んだりすれば、あら不思議。空間に模様が浮かび上がります。

最初はシンプルな束ねかがりから始めて、慣れてきたら格子模様やジグザグ模様など、アレンジを加えていくのも楽しいところです。

白糸刺繍ドロンワーク動画講座

糸を切る勇気

様々な本が出版され、初心者さんでも手を出しやすい「ドロンワーク」
ですが、挫折も多いのが「ドロンワーク」

それはなぜでしょう?
 

糸を切る勇気

まず糸を切るところからはじまります。ドキドキします。
この向きでいいんだろうかこの位置でいいんだろうか。
もし間違ってしまったらやり直しはできるんだろうか。

 

144本の糸を数える!?

糸を切った後は、その糸を引き抜いていきます。
例えば布の横糸を切った場合、縦の織り糸だけを残すように横糸を丁寧に抜いていきます。
その時に本では144本分抜く。などと書かれているのです。
144本。数える!?
1回目に数えたら142本だった。2本分引き抜いて
2回目に数えたら145本だった!
もう一度数えたら143本だった。
これは絶望です。
デザインによっては144本どころか、200本以上の指示の場合があります。


 

そこで少しでも皆様の挫折を減らせるように
「刺繍ルーム」ではそんなにたくさん数えなくてもいい方法でレッスンをしています。

だからって適当ではありません!
後で適当に誤魔化しましょう。そんなことは致しません

効率よく、そして間違いなく進めていけます!
初めての白糸刺しゅう動画講座
一見、複雑そうに見えるカットも、動画とテキストで安心して進められると好評です。


手順がわかれば、応用しやすいのもドロンワークの面白いところ。

糸を引き抜いて布に変化が出て、糸を絡めて模様を作り上げていく楽しさ
ぜひ体験しませんか?
category
レッスン

←前の記事へ

お気軽にコメントくださいね♪
皆様の声を楽しみにしています

コメント入力者が自分のコメントを削除したい場合、パスワードの入力が必要になります。「削除キー」を入力してください。削除キーは英数字での設定が可能です。