New Column

andBouquet賞③ by刺しゅうアートフェスティバル  

2025/08/09

2025年7月17日〜21日に開催した「刺しゅうアートフェスティバル2025」において、弊社からは

 

・株式会社ブーケ賞(2名)

・andBouquet賞(5名)をお贈りいたしました。

その中から本日は、andBouquet賞を受賞された
「ito_ne (イトノネ)」さんの作品をご紹介します。

 

艶やかな糸の並びと美しい色のグラデーションのお花、ぜひご覧ください。

 

andBouquet賞
刺繍作家インタビュー

息を呑むほど繊細な糸の流れ。光を受けたような艶。そしてグラデーションカラー。熱いフェスの中、この作品からは爽やかな空気を感じました。

決して大きいとはいえない作品なのに、インパクトがあります。二度見、三度見、さらに戻ってもう一度見たくなる。そんなふうに心奪われるのは、やはりこの技術の高さではないでしょうか。

「一糸乱れぬ」とはまさにこのことだなと。

そして太さの違う糸の調和。
作品としての奥行きを生み出すテクニックに「糸1本の重み」「糸一本の奥深さ」を感じました。

インタビューの「自分のペース」を胸に刻んで、私ももっと刺繍を楽しもうと思いました
福田彩

「自分のペース」が美しい刺繍の鍵
ito_neさんが大切にする刺繍とお教室


ito_ne (イトノネ)

刺繍教室

まず初めにインスタプロフィールを拝見し、お教室されていることが最初に目につきました。

小さな刺繍ひとつでも暮らしの中で愉しめる刺繍を教えています。

教室の特徴、レッスンのこだわり、お教室の様子などを教えてください。

はじめての方でも愉しんでいただけるよう小さな刺繍からはじめる刺繍教室をしています。
 

皆さまお1人でお申込みいただきますが少人数のレッスンなので自然と仲良くなり誰かの作品が完成すると「わぁ~♡」とみんなで拍手をしたり「素敵ですね~」と感想を伝えたり教室にはいつもあたたかい時間がながれていてうれしく思っています。

普段は誰のために刺繍をしていますか?

今は生徒さまのために“みんなはどんなデザインが好きかな?”とレッスンの課題のデザインを考え、刺繍をすることが多いです。

刺繍を始めたころは、家族や自分の為にハンカチやお弁当袋、トートバックに刺繍をしたり刺繍のブローチなどを作って愉しんでいました。

 

刺繍との出会い

刺繍を始めたきっかけをお聞かせください。また、初めて刺した刺繍はどのような刺繍だったのでしょうか?

刺繍を始めたきっかけは、結婚後に洋裁教室に通いはじめ“自分で作ったワンピースに刺繍をしたら素敵かも”と思ったのが始まりです。

 

初めて刺した刺繍は図案より少し太った小鳥です(笑)
 

最初は刺繍本を見ながら独学でスタートしたので上手く図案が写せなかったり、刺繍糸がからまってしまったり、とても刺繍するのに苦戦し、完成した時はとてもうれしかったのを覚えています。

その喜びから、 「よし!次はこれを刺繍してみよう!」と他の作品にもいろいろチャレンジしていくうちに“どうしたら本に載っている作品みたいに綺麗に刺繍できるんだろう?”と思い刺繍教室に通い始めました。

 

刺繍がくれた“意外なご縁”や“人生の転機”があれば教えてください

刺繍教室に通いはじめて3、4年くらいたったころ、その当時通っていた美容室の美容師さんに“刺繍を教えてみませんか?”と声をかけていただいたのがきっかけで刺繍教室をスタートしました。

あの時声をかけていただいていなかったら刺繍教室を始めていなかったと思うのですごく感謝しています。

 

綺麗な刺繍のコツ、制作スタイル

どんな時間に刺繍をしていますか?普段、刺繍をする時間は決まっているのでしょうか?

窓の近くで刺繍をしているので、なるべく明るい昼間の時間帯に刺繍をしています。

音楽を流しながら刺繍をし、手元が見えにくくなってきたら終わりにしています。 

今回の作品はとにかく美しい糸の流れ、針目、そして色使いに惹かれました。作品を作る上で心掛けていることはありますか?

綺麗に刺すことを意識しながら焦らず自分のペースを大切に刺繍しています。

 

この作品を作るにあたってデザイン的に考えたこと、こだわりポイントはありますか?

この作品はずっと刺繍したいと思っていた、初夏の庭で愉しく過ごした時間を表現しました。

デザインを考える時は写真を見ながら、初夏の涼しげな色の庭や愉しかった時間を表現する為にモチーフや色のイメージを膨らませていきました。


 

刺しゅうアートフェスティバル

刺しゅうフェスに出展しようと思ったきっかけ、家族や周りの反応はありましたか?

出展しようと思ったきっかけは、“たのしそう♪”と思ったからです。

教室を始めてからは、あまり自分の為だけに刺繍をしていなかったので、とても愉しい時間を過ごすことができました。

また刺繍に詳しくない家族も興味を持ち“せっかくだから記念に見ておこうかな”と

一緒に刺しゅうフェスを愉しむことができました。

 

フェスの申し込みから当日までどのようなスケジュール、どのようなお気持ちで過ごされましたか?いつ頃、デザインは仕上がっていましたか?

秋頃に申込をしてからデザインを考え始めましたがあっという間に年が明け、完成したのは3月ごろ。

そこから布はどんな色にするか、紫陽花の色は何色にするか、ステッチはどうするか、糸は何本どりにするか…など試し刺しをしてから、本番の布に刺繍を始めました。

途中“この色の布じゃないかも…”と刺繍しなおした時は“間に合うかな…?”と少し不安になりましたが5月中旬ごろに刺繍し終わりました。

きちんとパネルに仕立て完成したのは6月下旬ごろ、会場に送付する直前に三角カンを付けたりとギリギリまで作業をしていました。 

作品が完成した時、会場で見た時、そして今。感情の変化がありますか?

作品が完成した時は、“完成して良かった!”という安心した気持ちと同時に参加することに対して不安にもなりました。

ただ会場でたくさんの作品と一緒に自分の作品も壁に飾られているのを見た瞬間うれしくなり頑張って刺繍して良かったな、参加して良かったなと思いました。

刺しゅうフェス参加後は、スケジュール管理や作品のデザイン、もっとあそこをこうすれば良かったなど反省点は多々ありますが、賞を頂いたことがとても自信につながり、これからも刺繍を愉しもうという気持ちが大きくなりました。

これからの想い

今後の展望、作家としての想いなど、伝えたいこと。

刺繍教室をしていて生徒さまが大切な人やご自分のために刺繍を愉しまれているお話をうかがうたびにうれしく思っています

これからも刺繍をとおして多くの方の心や暮らしを豊かにしていくお手伝いをしていけたらと思います。 

ito_ne(イトノネ)

2019~ 小さな刺繍教室 ito_ne でフランス刺繍のレッスンをはじめる。

     その後ウール刺繍を独学で学ぶ

2021~ 季節の課題としてウール刺繍のレッスンを開催

紫陽花の庭

初夏の庭で愉しく過ごした時間をイメージして刺繍しました。

お気軽にコメントくださいね♪
皆様の声を楽しみにしています

コメント入力者が自分のコメントを削除したい場合、パスワードの入力が必要になります。「削除キー」を入力してください。削除キーは英数字での設定が可能です。