刺しゅうアートフェスティバル2025に込めた想い
2025年7月17日(水)から新宿・ヒルトン東京で開催される「刺しゅうアートフェスティバル2025」
いよいよ開催が目前に迫り、胸が高鳴ると同時に、焦りと緊張が…
今日はたくさんの想いが詰まったこの展示会が生まれた背景についてお話しします
最初は「教室の展示会」にするつもりでした
もともとは、私の刺繍教室で学ぶ生徒さんたちの発表の場として、数年ぶりに展示会を考えていました。
刺繍が好きで、コツコツと作品をつくる生徒さんたち。その刺繍や仕立ては本当に丁寧で、見るたびに「すごいなぁ」と感じるものばかり。
過去に数回、教室での展示会を開催し、生徒さんへも作品展示を呼びかけましたが、
作品のすばらしさに反して、こんな言葉しか聞こえてきません
「オリジナルは難しいですよね…」
「私の刺繍なんて、まだまだで…」
「出すなんて、とんでもないです」
その返事を聞くたびに
このままじゃ、もったいない。と強く思っていました
今こそやるべき!
自分の作品を“見せる”ことはすごく勇気がいります。
でも、その一歩を踏み出した先にしか得られない達成感があることを、私は知っています。
そしてそのチャンスは逃してはいけないことも知っています。
「出すからには、堂々と」
「オリジナルを作るからこそ、自分らしさが見える」
「誰かに見てもらえることで、次が生まれる」
そうした循環を生み出すためには、思い切って刺繍ルームの“外の世界”に飛び出さなければと思いました。
だから、ただの教室展示会ではなく、もっと「大きな舞台」をつくりたくなったのです。
そんな時に会ったのが、今回、共催を引き受けてくれたパントン久美子さんでした。
せっかち具合が似ている二人は笑
即時にコンテスト形式の展示会開催の話をあれよあれよと進めるのでした。
偶然にもパントン久美子さんと待ち合わせのカフェに向かう電車の中で私は、今回の会場のヒルトピアアートスクエアの情報を見ていたのでした。
様々な種類の刺繍
刺繍は、静かなアートです。
そしてその中には、膨大な時間と技術と、何より“想い”が込められています。
それをもっと広く知ってもらいたい。
そして、「刺繍ってすごいね」と、誰かに言ってもらえるような展示会にしたい。
刺繍の可能性は、まだまだ広がるはず。
そこで今回は自分の得意とする刺繍だけでなく、オートクチュール刺繍やアリワーク、立体刺繍など、刺繍は刺繍でもジャンルの違う刺繍の先生方にもお声掛けいたしました。
これは展示会に面白みを加えてくれて、今までにない刺繍の展示会になると確信しています。
よくある教室ごとの展示会ではなく、もっと個人が尊重される展示会を望んでいる作家は多いのではないでしょうか?
刺繍コンテスト
刺繍コンテスト
刺繍というジャンルには、本格的なコンテストの場が少ないこと、挑戦のチャンスがないことが私の中でずっと気になっていました。
(なので過去には刺繍ではなくキルトショーに出展しました。この事が、今回の刺しゅうアートフェスティバルの開催に大きな影響を与えているのは間違いありません)
今回、展示会の中にコンテスト要素を取り入れ、来場者による投票と企業様による選出を行う形にしました。
結果として、全国から思いがけないほどのご応募をいただき、
「こういう場を待っていた」という声が私の元にもたくさん届きました。
「まさか自分が出せるとは思ってなかったけど…チャレンジして良かったです」
「こんな風に作品を作り発表する機会、初めてです」
作品の写真と共に届いたメッセージがとっても嬉しく心に響き、
主催してよかったと思える瞬間でした。
初めてのオリジナル刺繍作り
今回の出展者の中には、人生で初めて“オリジナル作品”を作ったという方もたくさんいます。
• 初めての構図に悩んだ日々
• 色合わせに迷って何度もやり直した時間
• やっと仕上げたときの達成感
すべてが、作品の中にそのまま詰まっています。
たくさんの方が初めてのオリジナル作品作りを経験してくれたことが、何より嬉しい!
刺繍作品 図録集
そんな初めてにチャレンジしてくれた方へ
少しでもお礼や記念になればと思い、作品図録集を作りました
図録掲載を希望する方の写真のみですが、展示作品の魅力を閉じ込めた図録写真集。
見て楽しむだけでなく、「自分も何か作ってみたい」と思えるような一冊。
まるで、小さな刺繍美術館を自宅に持ち帰れるような仕上がりになっています。
表紙は一緒に主催のパントン久美子先生作品写真です
図録は会場での販売もありますので、ぜひ手に取ってみてください。
企業様のご協力に、心からの感謝を
今回の開催にあたり、たくさんの企業さまにご協力をいただきました。
刺繍を愛する方々の活動に理解を示し、支えてくださる企業の存在は、本当に心強いものでした。
協賛・協力いただいたすべての皆さまに、この場を借りて感謝申し上げます。
作品”ではなく“作る人”が主役になるような展示会
ジャンルの違いはあっても、すべてに共通しているのは「手で作る喜び」と「伝えたい気持ち」。
ハンドメイドの世界は、いま少し停滞しているように感じることもあります。
けれど、手を動かす人たちのエネルギーは、まだまだこんなもんじゃない。
ぜひ作品から刺繍に対する作家の想いを受け取ってください。
ご来場、心よりお待ちしております
刺しゅうアートフェスティバル2025
• 日程:2025年7月17日(水)〜21日(日)
• 会場:ヒルトン東京 地下1階「ヒルトピアアートスクエア」
• 時間:11:00〜17:00(最終日は16:00まで)
• 入場:無料
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