中世ヨーロッパから続くheraldry「紋章学」の世界
色なのか、形なのか、モチーフなのか
以前、カリグラフィーを学んでいた時にカリグラフィーに添えるイラストを描きたいと思い紋章について勉強したことがありました。
深く知れば知るほど面白くハマってしまう紋章
みなさんは紋章のルールをご存知ですか？今日は中世ヨーロッパの紋章のお話を綴ろうと思います。
紋章とは
紋章とは、特定の人物・家族・組織を識別するために使われる、図形や色で構成された“しるし”です。
中世ヨーロッパでは、戦場や儀式の場で誰が誰かを見分けるために、盾や旗、衣装に紋章が描かれました。
紋章学（Heraldry：ヘラルドリー）とは？
紋章学とは、紋章のルールや意味、デザイン方法などを研究・記録する学問のことです。
紋章は自由に描けるわけではなく、色の使い方・図形の意味・配置のルールなどが厳密に決まっていて、それを守ることが大切でした。
この体系的なルールと意味の集まりを「紋章学」と呼びます。
紋章は貴族や騎士だけの世界ではない。
個人から団体へ
「紋章」と聞くと、映画やファンタジーの中だけのもの？と思うかもしれません。でも実は、ヨーロッパでは1000年近く続くれっきとした“制度”だったんです。
もともとは戦場で「誰が誰か」を見分けるために、盾や旗に自分の印を描いたのが始まり。
主に騎士が使用し個人所有だった紋章は貴族や、商人、職人に広がり、やがては
町・大学・ギルド（職人組合）など団体での所有へ進化し、今では国章や校章、企業ロゴのルーツとしても使われています。
紋章の色にも意味がある！？「ティンクチャー」というルール
紋章には、「使っていい色」が決まっているのをご存じですか？
これをティンクチャー（Tincture）といい、基本の色はたったの7種類＋毛皮模様だけ。
金、銀、赤、青、緑、黒、紫、
そしてさらにはこの色の組み合わせにもルールがあり、赤×青はNGなど決まりがあるのです
紋章モチーフの意味
紋章の中には「ライオン」「星」「剣」など、いろんなモチーフ（飾り）が描かれます。
そしてそれぞれに意味や願いが込められているんです。
例えばライオンには勇気、リーダーシップ
バラには愛、美しさ、忠誠
剣、矢には正義や戦い
それぞれが持つ意味をルールに沿って組み合わせることにより誰とも重複しない紋章ができ上がり、その紋章が親子や婚姻関係、血縁関係までもを示す存在になっていきました。
愛や勇気など今の私たちにも通じるメッセージがたくさん。
自分や家族の願いを込めて、モチーフを選んでみたくなりますね
装飾や形でバレる！？階級や性別
さらに紋章はただの絵じゃなくて、“社会的地位”や“家族の背景”も表していました。
たとえば
女性用の紋章は「ひし形」で描かれる（ロゼンジ型）王族には「王冠」、騎士には「兜」、庶民は無し、などの飾りの違い
左右に動物が支える「支え獣（サポーター）」は、高貴な家系だけが許された装飾！
こういったルールを知ると、紋章の見え方がグッと面白くなってくるでしょう！
現代における紋章とは？
今の時代にも、「紋章的なデザイン」はたくさんあります。
現代ではそんな厳しいルールは無しにしてデザイン的な要素で紋章が使われています
- サッカーチームのエンブレム
- ブランドのロゴ
- 高校の校章や大学のロゴ
- 市町村のマーク
そして、個人のアイコンやハンドメイド作家さんのロゴも！
自分の好きな色や想いを込めて、ちょっと意味のあるマークを作る…それってとっても素敵なことだと思いませんか
オリジナル紋章を描くレッスンと紋章学
もし、あなただけの紋章を作れるとしたら、
どんな色を選びますか？
どんな動物やモチーフを入れたいですか？
子育ての想い、家族の絆、好きなものや夢…
そういう「言葉では表せないもの」を、色と形で表すのが紋章です。
デジキャンラボでは紋章学を学びながら、iPadとProcreateを使って紋章パーツを描き、組み合わせ、無数のオリジナル紋章を描くZOOMレッスンを行います
意味を知って描くパーツ、形
組み合わせを学び楽しむ。
そして難しい動物は、AIの力を借りて描いてみましょう！
初めての方向けAI講座ですが、ただ画像生成をするだけでなく、今後に役立つAIの使い方をレクチャーします。
描いた紋章は自分のロゴとしてアイコンにしたり、テキストやラッピングなど。もちろん自分で描いたので著作権を気にすることなく、そして誰とも被ることないデザインでお好きにお使いいただけます
デジタルなのでサイズも色も質感も自由自在
使い方、便利な技も4回のレッスンでじっくりと学ぶので初心者さんでもご安心ください。
オリジナル紋章を描きたい方、紋章学をもっと知りたい方、ちょっとAIに触れてみたい方
ぜひお申し込みお待ちしています
【ZOOM】デジタルイラスト講座
アーカイブ動画付き！
デジタルお絵描き
←前の記事へ
