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フランス刺繍の魅力とテクニック

2025/03/19

フランス刺繍の魅力とテクニック

刺繍作家が教える初心者ガイド

「これが自分の手で作れるの?」その衝撃から刺繍をスタートして十数年。決して長い刺繍歴とは言えませんが、作品制作や教室運営を通じて多くの方にこの素晴らしいフランス刺繍の魅力をお伝えしてきました。
かつての私と同じように「フランス刺繍ってなに?」と思っている方もいるかもしれません。私なりにフランス刺繍と白糸刺繍に注いできた情熱と、感じてきた疑問や不安、そしてテクニックをお伝えしようと思います
 

フランス刺繍とは? 

フランス刺繍(フランス語ではBroderie)は、17世紀にフランスの宮廷で発展した装飾的な刺繍技法です。糸の立体感を活かした繊細な表現方法で、様々なステッチを組み合わせることにより、まるで絵画のような美しい作品を創り出すことができます。花や植物、風景、動物など、様々なモチーフを立体的に表現できます。

私の視点からお伝えすると
刺繍はただの手芸ではなく、針と糸で描く絵画のようなものと考えています 。
さらに同じステッチでも糸の色、太さ、刺し方で全く違う表情を見せてくれることが面白くて、刺せば刺すほど、「違う色ならどうだろう?」「このステッチは合うかな?」そんな研究や実験、学びが楽しくてどんどんハマっていくのです

デジタル時代だからこそ、手仕事の温かみと、ゆっくりと形になっていく達成感が心地よく感じます。丁寧に針を動かす時間は現代人にとって貴重な癒しになるはずです。

刺繍のやり方

刺繍初心者に必要な道具を揃えよう!

まず、フランス刺繍を始めるために必要な基本道具をご紹介します

刺繍枠(フープ)-  布をピンと張るための必須アイテム

刺繍針 - 先が鋭く、穴が大きめの刺繍専用針

刺繍糸 - 初心者には25番のコットン糸がおすすめ

布 - 針通りの良いリネンやコットンが初心者向け

チャコペンシル - 図案を写す際に使用

はさみ - 糸切り用の小さなはさみ

もっと知りたい!
フランス刺繍 基本の道具

フランス刺繍の基本ステッチをマスターしよう!

フランス刺繍の魅力は多彩なステッチにあります。初心者が最初に覚えるべき基本ステッチをいくつかご紹介します
 
サテンステッチ - 平面を埋めるための基本ステッチ

アウトラインステッチ - 輪郭を描くための直線的なステッチ

フレンチノット - 立体的な点を作るステッチ(花の中心や木の実などに最適)

チェーンステッチ - 連鎖状のラインを作るステッチ

動画で学ぼう!
17の基本ステッチ技法

刺繍の上達 ステップアップ!

初心者からステップアップするためのコツ

私がこれまで多くの生徒さんを指導してきた経験から、上達するためのポイントをお伝えします
 

☑︎毎日少しずつ練習する
   15分でも毎日続けることが上達の鍵。隙間時間なども上手に使って針と糸、布に慣れいきましょう。
 

☑︎良い道具を使う
   良質な道具、いろいろ試して自分に合った道具探しも楽しみましょう。道具の使いやすさは刺繍のレベルでも変化していきます。たまにいつもと違うメーカーの道具を使ってみるとハッと気がつくことがありますよ。
 

☑︎光の当たる場所で作業する
 目の疲れを防止するだけでなく、色の識別のためにもまずは明るい部屋。自然光が入る部屋がベストです
 


☑︎基本ステッチをマスターしてから応用へ
 焦らずに基礎をしっかり固めましょう。でもチャレンジ精神も必要!
 基本8、チャレンジ2の割合でレベルアップ!!
 


☑︎失敗を恐れない
 失敗は当たり前。やり直すか、次の作品でリベンジ!
 実験的な気持ちで様々なステッチや色の組み合わせを試してみましょう

 

フランス刺繍よくある質問(FAQ)

Q1: 初心者はどのような作品から始めるべきですか?

A: まずはアウトラインステッチなど線で表現するステッチを多く使用するデザインがおすすめ。線を長く刺す練習で糸の扱いに慣れることができます。
大きすぎる作品より、ワンポイント刺繍で達成感を味わいながら、基本技術を習得するといいでしょう

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Q2: 刺繍糸の扱い方のコツはありますか?

A: 刺繍糸は通常6本の細い糸が合わさって出来ています。フランス刺繍では、作品や表現によって使用する本数を調整します。初心者は2〜3本で始めるとコントロールしやすいでしょう。60cmくらいの長さに切っておくと便利です

刺繍糸の扱い方

Q3: デザインの転写、図案写し方法を教えてください。

A: 初心者には水溶性のペンやチャコペンシルでの転写がおすすめです。
 


 Q4: 刺繍枠の正しい使い方は?

A: ステッチにより布の張り具合を変えられると初心者からレベルアップ!ネジはしっかりと閉めます。
10〜12cmの大きさの刺繍枠で、刺したいステッチに合わせてピンと布を張るか、少し余裕を持たせて布を張るのか使い分けましょう。
 


Q5: 糸が絡まってしまう原因は?

A: 長すぎる糸を使用したり、糸を強く引きすぎたりすることが原因です。適切な長さの糸を使い、優しく引くことを心がけましょう。糸がねじれていると、絡まりやすくなります。ねじれを取りながら刺繍を進めましょう

最後に

フランス刺繍は心を落ち着かせる効果があると感じています。
針と糸を手に持ち、集中して刺していく時間は、まさに「いま、ここ」に意識を向ける瞑想的な体験です。日々の忙しさから解放される貴重な時間は私にとってかけがえのない大切な時間です。

フランス刺繍は長い歴史を持ちながらも、常に進化し続けている芸術です。伝統的なテクニックを学びながらも、自分なりの表現を見つけていくプロセスを楽しんでください。

初心者の方々が、この記事を通じてフランス刺繍の世界に一歩踏み出すきっかけになれば嬉しいな。質問やご相談があれば、コメント欄でお待ちしています。

Category
刺繍