拡大鏡、老眼鏡とライトのお話
先日オンデマンド教室の生徒さんからお悩みの連絡が来ました。
普段は拡大鏡を使用して白糸刺繍をしていますが、テクニックコースの布はいつもの布に比べて目が細かくて困っていると。
25カウント、32カウントなど、カウントで表記される白糸刺繍用の布と比べると、レッスンで使用しているリネンは布の織り糸がとても細く、ムラもあり、織り糸に沿って刺すのが大変なのはわかります。
だからこそ、一つ目の課題からしっかり布目を意識するデザインにしました。取り組んでくれた生徒さんは綺麗に仕上げるには布目が大事なポイントということは伝わったと思います。今、うまくできなくても継続していけばしっかり慣れてくる。徐々に自分のできることが増え、上達の実感を得られてきます。その自分の成長を楽しみましょう!!
初めは刺せる目の大きさでいいです。細かく刺すより、針目の大きさを均一にすることを目指しましょう!
拡大鏡と老眼鏡の違い
そもそもどう違うの?
拡大鏡の特徴
・倍率が高く(通常2〜10倍程度)、非常に細かいものまでくっきりと見える
・作業距離が比較的短い
・視野が狭い
・手持ちやスタンド型など様々なタイプがある
・両手が自由に使える首かけタイプもある
老眼鏡の特徴
・ 倍率が低め(通常1.5〜3倍程度)
・より自然な見え方で、広い視野が確保できる
・装着したまま歩き回れる
・作業距離が比較的長い
・目の疲れが少ない
刺繍に向いているのはどっち?
刺繍は細かい作業が多いという点で、拡大鏡の方が向いていると思います
1. より高い倍率で細部まで確認できる
2. スタンド型や首かけ型を使えば両手が自由に使える
3. 作業に合わせて倍率や角度を調整できる
4. 光源付きの製品も多く、明るさも確保できる
ただし、長時間の作業の場合は目の疲れを考慮して、老眼鏡と拡大鏡を状況に応じて使い分けることをお勧めします。
例えば
大まかな作業→老眼鏡
細かい部分の確認→拡大鏡というような使い分けです。
作業内容や個人の視力状態によって最適な選択は変わってきますので、可能であれば実際に試してみることをお勧めします。
刺繍レッスンにおける拡大鏡
川越対面のレッスンではLEDライト付きの拡大鏡をテーブルに置いています。使う方、使わない方、ライトだけを使用する方など様々です。
・メガネタイプの拡大鏡(老眼鏡)がいい方は各自お持ちいただいています
・置き型の「LED付き拡大鏡」
今まで数種類、購入し試してきました。明るさに関しては実際に点灯してみないとわからないのですが、電池タイプは明るさが不十分なので避けたほうがいいでしょう。コンセントタイプ、充電タイプ。使用する場所、レッスンに持ち運ぶなど使用用途を考えて選びましょう。コンセントの長さも大事。出しっぱなしの方は良いですが、片付けたい方は収納も考えてコンパクトに畳めるもののほうがいいと思います。
刺繍しているとずっと同じ姿勢でいるのは辛いもの。スタンドのアームが長いほうが拡大鏡の位置が変えられるので疲れにくいでしょう。
アジュール刺繍などのカウントステッチではもちろんのこと、サテンステッチでも拡大鏡を使用した方がしっかりと布の織り糸など刺したいところに狙いを定めて進めるはずです。
ライトの明るさ
やはり明るい部屋で刺繍するというのは大事です。暗いところで作業をすると目の負担も大きいですからね。ただ、LEDの明るすぎも良くないみたいです。
LED拡大鏡を買い増した際、以前使っていたものより少し暗くなってしまい不安だったのですが、生徒さんから「こっちの方がいいかも!!」と使用感を聞いた時は驚きました。
今まで使用していたライトは皆様明るさMAXで使用していたのですが少し下げてみると「やっぱり今まで明るすぎていたかも」とみんなで気がついたのです。明るければいいというわけではないみたい。「糸」を一本一本見ていくには適度な明るさでいいようです。
特にサテンステッチ!明るすぎると光で影が飛んで、刺しているときは艶々♡と思うのですが、光がないと「あれ?ひき加減が揃ってない!」なんてことも。うまく修正してくれちゃう、写真アプリのフィルターと同じですね。
「自分に合った明るさ」を知るために光量を調整できるタイプがよさそうです。
老眼進行中!
レッスンに来て刺繍をして初めて自分が老眼が進んでいることに気がつく方もいます。
1日で急に悪くなるものではなく進行していく症状なのでその具合に気が付きにくいと思います。50代前半の生徒さんが大半なので皆様、拡大鏡、老眼鏡をいくつも掛け直したり駆使しながら刺繍を進めています。「今日は老眼鏡忘れたから刺繍できない!!」そんなふうに嘆く生徒さんもたまにいらっしゃいます。老眼鏡は体の一部ですね。
ですが、面白いことに60代を超えてくると「見えない」とおっしゃらなくなるのです!!不思議でしょう?
おそらく、進行が止まり、慣れてきたのでは?と思います。40代後半から50代半ばまでは進行時期。だから日によって見えにくかったり、持っていた老眼鏡が合わなくなったりしているのかもしれません。(エビデンスがあるわけではなく、10数年、たくさんの生徒さんと関わってきて思ったことです)
そういう私はというと
超ど近眼(コンタクトは両目とも−7)小4から眼鏡っ子でした。出かける時はコンタクト。でもコンタクトでは目が乾いて刺繍ができないので仕事時はメガネと使い分け、メガネの度数は強めに作っていました。それが刺繍には合わなかったのです。
定期的に頭痛に悩まされている時に眼科で言われたのが「メガネが強すぎる」
メガネが強すぎるとどうなるのか
遠くをしっかり見るために作る強い眼鏡は、近距離を見る時にピント調節が大変で目が疲れる。刺繍もP C作業も近距離だからこのメガネでやるなら、裸眼にした方がいいと。試してみたけど、今度はハサミが取れないんですよね笑 糸の色番号も家族に笑われるくらい顔の近くに持ってこなきゃ見えない笑
眼科医と相談し、メガネをかけても視力0.7くらいしか見えないほどメガネを弱めることにしました。初めは本当に怖かった!外ですれ違う人の顔すらまともに見えない!外の看板系は全然みえない!2個のメガネを作って使い分ければ良かったのですが、しばらくそのメガネで生活し慣れることにしました。
それでもPCやりすぎたあとは眼痛〜頭痛はたまにありましたが、しっかりと減っていきました。
ライト必須 さらに度は進み
ですが昨年くらいから自分でもどんどん目が悪くなっているのを感じてきました。
2年前までは拡大鏡はおろか、ライトすらなくても朝でも昼でも夜中でも刺繍ができていましたが、もう今はライトをつけないと刺繍ができなくなりました。
外でも今まで以上に看板が見えなくなり、駅の電車の各停とか〇〇行きみたいな電光掲示板が見えなくなってきて、これはダメだと再び眼科へ。
デビュー
提案されたのは「中近両用メガネ」
まあ、普段からそんなに遠くを見ることがないこと。刺繍がメイン、あとは家の中での生活に不自由がなければとお伝えしました。中距離4メートル前後と近距離30センチ前後に合わせたメガネとのこと。大丈夫、我が家4メートルあれば大体見える笑
その当時42歳。しっかりと老眼が始まっていることを告知されました
ただ本来ですとまだ老眼鏡も作らなくていいレベル。拡大鏡もなくて手元作業は平気なはずと言われました。
実際、私は拡大鏡を見ながらの刺繍は酔ったり、頭痛がするので苦手で使いません。
メガネを受け取った直後はやはり慣れなくて中距離と近距離の境目、特に階段とかは怖かったのですが、1週間ほどで慣れました。
そして嬉しいことにさらに頭痛が減った気がするのです!えっ?気のせい?気のせいでもいいです笑
朝から「お願い!助けて、頭痛薬さま〜」のような日が明らかに減りました。(でもコンタクトをつけたあとは今までと同じく頭痛がきやすいです)
定期検診を
こんな感じでここ数年、落ち着かない私の目。
視力低下と老眼の進行により今後もメガネを作り替えていかなくてはいけないと思っています。
刺繍をこれからも長く続けていくために目には細心の注意を払って大事にしていきます。病院嫌いの私ですが、眼科だけはすぐ行きます。
目のケアなどのお話もまた別の機会に書きたいな。
皆様も目に関して大事にしていること、拡大鏡や老眼鏡について何かありましたらコメントで教えてくださいね。